期待を胸に抱いて

 病院勤めをしようと考えたときに、整形外科で患者を看取るために看護師を目指している方がいることでしょう。最近、肩こりがひどくて肩を回すたびに痛みが走るという症状に悩まされている患者がいるからこそ、同じく肩こりでつらい思いをしていた看護師が整形外科で働こうと思うようになるのではないかと思うのです。肩こりをどうにかしたいと考えている患者の中には、あろうことか痛みのある肩が利き手であるため、字がロクに書けない思いをしていることもあながち大げさではないと思うのです。そうした状態が続くことで、仕事やプライベートで支障をきたすことになり、まるで翼をもがれた鳥のように字が書けないことが社会人としての命綱を失ったかのような感覚に陥ってしまうと思うのです。このようなつらいことがあるからこそ、患者が肩こりを改善したときに肩を思う存分動かせることがこれほどまでに気持ちの良いことなのかと実感していくのだろうと思うのです。看護師は患者がそうした気持ちになることを期待して、自分が行う看護により日に日に肩こりが軽くなっていく患者が喜ぶ姿を想像しながら、患者の肩への看護をしているのだろうと思うのです。
 スポーツ選手が競技中に靭帯を損傷したことで、整形外科にかかることがあるでしょう。患者であるそのスポーツ選手は、こちらの靭帯の修復を促進させるような看護の仕方により、「この人の看護によって、俺の靭帯が治って再び競技に参加できるようになる」という希望を抱いていくことでしょう。病院に通うことで、人生に再び輝きを取り戻したら素晴らしいですよね。

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